メアリー・アニングの冒険〜恐竜学をひらいた女化石屋

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吉川惣司・矢島道子共著
朝日新聞社

怪獣映画が好きだからというわけでもありませんが、恐竜も好きです。

ダーウィンの進化論はまだ発表されていない、すべての生物は神が造ったと考えられていた時代。
イクチオサウルスやプレシオサウルスといった未知の古生物の化石を発見し、博物学に多大な貢献を残しながらも、身分の低さや女性であるがゆえに正統な評価を受けずに一生を終えたメアリー・アニングの伝記。
翻訳文独特の言い回しがどうも苦手。おまけにカタカナの名前を覚えるのに四苦八苦して2週間かけてやっと読み終えました。
恐竜や博物学に詳しい人なら有名な人のようですが、恐竜の化石の発見に関して彼女がとても大きな存在だったことを私はこの本で初めて知りました。

著者は、アニングの一生をフィクションを交えずに可能な限り精確に伝えようと書簡や記録をもとにていねいに追っていきます。
それによって同時に、その頃の地質学、古生物学会の様子や名士たちの考え方、産業革命によって発展するイギリスの姿が見えてきます。
魚竜の化石について、ワニだ、魚だと学者によって議論されるあたりは恐竜好きの私としてはやっぱり面白い。

でも、肝心のメアリーがどんな女性だったのかという点については、残された記録が少ないので見えにくい。

どちらかというと偏屈のようにも感じられるし、皮肉屋でギスギスした感じもする。まあ、職人気質の人なら、男女を問わずそういう面があるものだけど。
商売上手であることは間違いない。彼女が書いた化石を売り込むのための手紙の文面はとても説得力がある。
また、たくさんの人から慕われたという一面もみえる。よくわからない。

しかし、ガンによって亡くなる寸前の晩年のメアリーの描写まで読み通したとき、どんな人だったかではなくて、メアリー・アニングという人が苦しい境遇の中でどれだけ力強く、精一杯生きたかということを理解するだけで十分なのだと感じました。

Googleのストリートビューで、彼女が暮らしたライム・リージスの街をのぞいてみる(便利な世の中です)。
アニングが生きていた頃から「ドーセットの真珠」と呼ばれた避暑地だけあって、きれいな街。
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「アニングロード」と名付けられた道がある。
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アニングの家(現在は博物館)
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フィルポット姉妹の家(現在はホテル)
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180年前、この地で毎日必死になって化石を発掘していた若きアニング嬢の姿を想像すると、1人の女性の一生とロマンが交錯して胸が熱くなります。
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by tetsujin_29 | 2010-11-20 18:59 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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